睡眠至上主義
僕は、睡眠に絶大なる信頼を寄せている。
風邪、筋肉痛、にきび、口内炎、嫉妬、焦り、絶望。自分に起こる大小様々な問題は、大概睡眠によって解決されると思っている。
睡眠至上主義だ。
実際、今まで数々の難局を、睡眠をすることによって「まあとりあえず頑張るか」という限りなく居直りに近い開き直りを発動し、ぼんやりと乗り越えてきた。
それゆえ、夜寝れない日はイヤだ。
もちろん、睡眠不足のせいで集中力が下がったり、身体に不調を来すのも苦痛ではあるのだが、それよりも、毎日一回は発動できる切り札を使えなかったことへの腹立たしさというかなんというか、機会損失的な意味でイヤな気持ちになるのだ。
特に、寝ようと思っても寝れない日は最悪である。そもそも、何かしらの寝たい事情・問題があるから寝ようと思ってるのに、それをさせてくれない。
部屋を真っ暗にして体を脱力させる。自分の身体に意識を向け、微細な感覚を心の中で言葉にして行く。今、この時に、集中する。そうすると、どんどんどんどん眠気がくる。らしいが、全然こない。全くこない。
眠りによって解決したい問題があればあるほど、眠らせてくれない。上手くできている。というよりも、下手にできている。話が逸れている。
寝たくても寝れない、そのもどかしさが更に睡眠への欲望を駆り立てるが、寝れはしない。だから、何か他のことをし始める。脳が強制的にシャットダウンするその瞬間まで、何か他のことをするのだ。
すると、夜更かしが生じる。その夜更かしがさらなる夜更かしを生む。
乱れたサイクルの睡眠は、最強の問題解決ツールから、なんとなしの罪悪感に変化し、寝起き一発目からテンションを下げてくる。
眠気よ来い